鎌倉の名所旧跡などの観光スポットは街のあちこちに点在しているため
観光客はそぞろ歩きながら街中を移動することになりますが、
その移動こそ、名所旧跡に引けをとらない見所となっているようです。
かやぶき屋根の風景を描きたくて、日本各地に旅をしました。
しかし多くのかやぶき屋根の風景は、時代に取り残された廃墟寸前の中にあり、
経済的にゆるされれば、新居の建て直しか、町への引越しかと、
負の遺産としての存在にしか見えませんでした。
しかし、
京都府美山地区かやぶき屋根の家はこれまでと違っていました。
美山の方々はかやぶき屋根こそ風土が育んだ文化資産であると、
強い誇りを持って大切に守っていることは、ひと目でわかりました。
感動を伴った美しい風景がそこにあったからです。
2つのかやぶき屋根の差、
時代遅れの無価値なものと見るか、文化という価値を持ったものと見るか
その差はあまりにも大きいことを知りました。
美山のように、鎌倉の家々の方は文化の大切さを充分認識しています。
日本家屋はすみずみまで清められ、
塀越しの木々や草花は整備され、道にはゴミひとつありません。
観光客は伝統の美しさに感動し、文化意識の高さに魅了されるのです。
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