秘伝.9

透明水彩は塗り重ねが魅力、
最初の色は淡い色で
できるだけ大雑把に塗る


TOPへ  目次へ  作品集へ


透明水彩の透明とは、色を塗り重ねても下の色が透けて浮かび上がることにより、透明感のある豊かな色彩を表現できることにあります。
その特色を生かすには、色の塗り重ねる順番とそれぞれの役割を認識して作業することが大切です。

最初の色は出来上がりの20〜50%程度の明るさの色を、細かいことにこだわらず大雑把に塗り、2番目.3番目の色を塗り重ねるにしたがって、より濃い色をよりきめ細かく塗るのがよいでしょう。
その中でも最初の色が絵の全体像を大きく左右するため、たえず全体を大きく見ながら描くことが大切ですが、淡い色ほど失敗するリスクが小さいだけでなく修正がきくことも大きなメリットです。

また、大雑把に色を塗るといっても雑に塗ることではなく、塗り残しやはみ出し塗りをしてはいけません。

たとえば初心者の方が木を描く場合、細かい木の葉を表現するのに戸惑っていますが、最初の一色は木全体を同一色で塗って終了とし、もし細かい木の葉を表現したいのなら、塗り重ねる2色3色の役割となります。



作品5-1

イギリスのコッツホールドの民家の風景ですが、この家の側面をしっかり描き、それ以外は思い切って彩色を弱めることにより、丹精込めて作られたガーデンの花々に焦点がいき、園芸好きな地域性を表現しようと思いました。


彩色のコツBのモノクロの彩色を終え、最初の第一色を塗り終えた段階です。
この場合は淡い色といっても出来上がりの60%程度の濃度ですが、相当大雑把にサッと塗ったのですが、この最初の1色で、しっかり絵全体のイメージが浮かび上がり、それ以降の彩色は補正程度となりました。

















>>>>