富士山が見える喜び
私の朝の散歩は、 何はさておき富士山を見ることを慣習化しており、 クッキリと見えた日は思わず「ラッキー!」と叫んでしまいます。 富士山が見えるのは、天気がいいから見えるというわけでもなく、 空気の澄み具合、乾燥具合がポイントのようで 夏場は3割、冬場は5割が目安ではないでしょうか。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」は 富士山をテーマとした版画シリーズですが、 三十六景ですから36枚のシリーズということになっていますが 実際は46枚制作したとのことです。 その中でわが神奈川県から描いた絵は7枚、東京からは18枚となっていますから つまり富士山は近くもいいけど、離れてみてもすばらしいと言うことのようです。
この絵は、逗子マリーナから見た厳冬の富士山です。 手前にある木は常夏をイメージする椰子の木で、 そのミスマッチさが気にいって描きました。 描き方のポイント この絵を魅力付けるのは、富士山の光り輝く銀嶺の白さにあります。 白さを際立たせるには、前景の島や山々、背景の空の青色に、コクと深みを出すことにあります。 淡い青を何度も塗り重ねて描きました。 →詳細はP106「塗り重ねて深みとコクを出す」参照