秘伝.7


描きたいものを描き、
描きたくないものは描かない


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秘伝.2で「主役はしっかり、脇役は抑えて塗り、後は塗らない」と言いましたが、ちょっとわかりにくいので別の視点からご説明します。
絵を描くためにまず第一に写真を選びますが、その写真のすべてが気にいったわけではなく、どこかの部分に引き付けられたからであり、その部分が「主役」なのです。
だからその写真でも気に入らない部分や、描きたくない部分、描くのが面倒な部分があるはずです。
その部分はドンドン省略するなり、線は描いても彩色しないことがポイントなのです。

絵を描くことは自分に正直になることであり、わがままになることであり、それは楽しく描くことでもあります。


炎天下の中、木陰に涼んでいる2頭のロバを描きたいのですが、背景はちょっと邪魔なようなので、省略することにしました。










木の葉の配置も変え、ホワイトスペースを大胆にとって広く空間を開けることにより、のんびりした田舎の情景を連想させるようにしました。



イタリア・トスカーナの風景ですが、岡の上の家並みに魅力を感じ、この写真を選びましたが、手前のブドウ畑はなんとなく描くのが面倒ですネ。
また、全体を通してほこりっぽい茶色も変えることにします。









 作品3-1





















手前の畑を描かないことにしました。
同時に空を青一色だけでなく、調子をつけて存在感を持たせました。