秘伝.14



2枚の写真を組み合わせて
新しい風景を描く


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トレース水彩画は写真を素に描きますが、その素となる写真が平凡で物足りないときや、構図的に不満があるときに、まったく別の写真と組み合わせると、が然魅力的な絵になります。
それには組み合わせる写真の選択が大切ですが、素の写真を生かす素材であるのは当然として、角度・大きさ・光の方向などを細かく配慮して決める必要もあります。

合成した写真を作る方法は、メインとなる写真の上に別の写真をハサミで切って合成し、位置を固定して1枚のコラージュされた写真を作ることになります。
その場合紙が重なって厚くなるとトレースに支障が出るため、合成した画像を複写して1枚の画像とする方法や、重なった部分を重ね切りして、1枚につなぎあわす方法があります。




・・・この2枚の写真から


この花はスイスの高原に咲くプリムラ・エラティオルという花で、2枚を合成すると新しい世界観が生まれます。

風景画は近景・中景・遠景の2つ以上があれば絵に広がりと深さが生まれるのですが、この写真では横長の中景だけで、ちょっと単調かもしれません。









そのため、木の葉のシルエットの写真を上の写真に組み合わせることにしました。











作品11-1





















この絵の主役を美しい教会と家並みとしたので、背景の城を省略しました。同時に山や木も低くし、全体を寒色系でまとめました。
手前に木の葉が設けることにより、絵に遠近感画生まれ、それにより詩情溢れる表現となったのではと思っています。