秘伝.8


絵の重要な部分から先に描く


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ドラマの演出家は役柄を決めるとき、まず最初に主役を固め、それ以降に順次脇役を決めていきます。
生け花でもメインの花の位置を決めてから、全体のバランスを考えながら他の花を生けていきます。
彩色も同様に絵の主役=重要な部分から先に描き、そのバランスとハーモニーを意識しながら他の色を塗って行く、その彩色の順番が成功へのとても重要なキーなのです。

初心者が失敗するパターンのひとつは、失敗を恐れるあまり重要でない部分から恐る恐る描き進め、主役を彩色する段になると絵全体のバランスがすっかり崩れてしまって、取り返しが付かなくなっているケースが多いのです。
勇気を持って、まず最初に最も大切な部分から描きすすめましょう。


   この絵のタイトルが「赤い屋根の風景」であるように、赤い屋根の色合いがこの絵の生命線となります。
そのため最初に屋根を彩色したがゆえに、 屋根の色が引き立つように山や木々を彩色するには、相当淡い色出なければならないことをしっかり把握できるのです。







作品6-1




















この絵の素となった写真は、木々や山々の陰影がとても強くて建物が埋没するほどでしたが、あえて強引に背景を淡白に塗ることにより、元の写真ははまったく違う私のイメージする情景となりました。











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