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「トレース水彩画」秘伝その7  似せて描くのは簡単です


人物画はうまいヘタの前に、「似てる・似てない」で評価されます。
従来の水彩画とトレース水彩画を比べると、明らかに優位なのは「人物画」。
「トレース水彩画」では、似せて描くのがもっとも得意だからです。

あなたの愛する人・ペットの写真を使いましょう

私は多くの初心者に、まず最初に描く一枚は自分のお子さんやお孫さんなどの身近な人を描くことをおすすめしています。なぜならそっくりに描くのは無理でも、似せて描くのはそんなに難しくないからです。
初心者の方が人物画を描いて、その出来栄えにみんなはびっくり!描いた本人までもびっくり!となります。

子どもの絵で実践!


猫と遊んでいる華菜子ちゃんを描くことにします。
なんといっても華名子ちゃんのかわいさを表現するのが絵のポイントとなりますが、そのためにも猫ちゃんを名脇役として描くことにします。
4つの線でトレースする


最初に髪の毛や目・口など写真で濃く(暗く)なっている部分を強い筆圧で描きます。、次に唇の輪郭など薄くなっている部分は、その薄さに応じて筆圧を変えてトレースしていきます。

似ている似ていないは、輪郭の線をいかに正確に描くかと、いかに適正な線の強さで描くかにかかっています。
そのためゆっくりでもいいですからていねいに描いてください。
髪の毛はその流れに沿って描いてください。
線画が完成しました。
次は彩色ですが、彩色の見本は写真です。本人ではありません。
写真を徹底的に模写するつもりで描くといいでしょう。

彩色する

絵が完成しました。似てるだけでなく華菜子ちゃんの「やさしさ」や「かわいさ」などの内面性も表現できたような気がします。
この絵の主役は華菜ちゃんですから、脇役の猫ちゃんは意図して弱く描きました。


ポイント

人物を似せて描くには、2つのことを守る必要があります。
ひとつは、目はこう描く!顔の描き方はこうなのだ!という既成概念を捨てること。上達のために百害あって一利もありません。
もうひとつは人物を描くのではなく、人物の写っている写真を描いているという認識を持つことです。だから、徹底的に写真そっくりに描くように努めれば、結果として人物画を似せて描く最短距離になります。


人物画のさらに詳しい描き方は、P108「あなたもびっくり!最初の一枚を描く」参照