さっと描く10 花を描くコツは素直になること


私は花を描くのがとても難しいと思っています。
絵は対象物の魅力を引き出すことにありますが、花はそれ自体が圧倒的に美しく、実物以上に魅力的に描くなど無謀なことで、素直に描く以外に美しさを引き出すすべを知らないからです。
そのため花を描くときは謙虚な気持ちや素直な気持ち、描かせてもらっている気持ちで描くことにしています。


クリックすれば絵を描くための原寸写真が出ます


道ばたに咲いていた桐の花です。

やわらかい絵にしたいため第一色は黒ではなく、藍色としました。
彩色はこの上にさっと一色だけ塗るため、第一色のモノクロのこの段階がとても重要な彩色になります。

ここをクリックすれば左の原寸の絵が出ます。
プリントアウトしてこの段階から描けば、彩色のための練習になります。





上のモノクロの絵にさらっと色を一色塗り重ね、葉脈を白で描き一応絵が完成しましたが、絵全体が緑色の単色っぽくちょっと大雑把な気がしたため、塗った上にきわめて淡い色(目安は色のついた水)を意図的にシミができるように塗ると、豊かで微妙な色合いの絵が完成しました。

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写真と絵との比較