しっかり描く17. 色の重なりで情感を表現する

たとえば今回の課題の写真は、このまま描くと地味な絵、印象の薄い絵にになりそうです。それは素となる写真自体が地味だからです。季節も災いとなってます。
しかしこの風景と出合った季節は、木の芽もふくらみ、春を予感するウキウキとした気分のときでした。


今回の絵は、静かで一見地味に見える絵でも、よく見ると春や喜びを予感するようなそんな表現テクニックのひとつをご紹介します。

クリックすれば絵を描くための原寸写真がでます。
これを素にあなたも絵に超然しませんか。


茅葺屋根の風景の手前の木の枝に、春の新芽が膨らみかけています。

線画と第一色のモノクロが完成しました。
手前の木の枝と、その向こうの農家の距離感を表現することがこの絵のポイントのひとつです。



一応絵が完成し、これで筆を収めることも出来ます。
しかし・・・何か物足りないというか、自己主張の弱い絵になったような気がします。この上に淡いものの鮮やかな色を塗り重ねていきます。

水をたっぷり含ませた原色の色を、塗るというより擱くうにぬっていきます生きまい。

その場合塗った色が乾かないうちに次の色を塗る方法と、充分乾いてから次の色を塗る方法がありますが、今回は後者の乾いてから塗り重ねる方法としました。


絵が完成しました。
この絵の魅力は、一見地味で静かな絵のようですが、よく見ると春の息吹が感じられるような力強さを、重ね塗りした原色の鮮やかさにあり、存在感のある絵になったと思うのですが。

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