しっかり描く11. 人物を描けば、ドラマが生まれる


従来の描き方で人物を描くには高度なデッサン力が必要のため、初心者にとっては高い壁となっていましたが、トレース水彩画は初心者の方も完璧なデッサンが描けるため、積極的に人物に挑戦することをお薦めします。
人物を登場させれば、存在そのものにインパクトがあるため、絵にドラマが生まれます。

その分、人物の写真は、動き回ったり、表情が今ひとつだったりと難しい場合が多いのですが、多めにシャッターを切り、その中から選ぶ心構えが必要かもしれません。
今回のテーマはせっかく面白い状況を撮ったのですが、間延びした写真となりましたが、その対処方法です。


クリックすれば絵を描くための原寸写真がでます。
これを素にあなたも絵に挑戦しませんか。



お母さんとお子さんの表情が楽しいですね。
でも2人の間に距離がありすぎのようです。

写真を縮めることにします。
真ん中をナイフで切ってしまいます。

離れすぎても近づき過ぎても面白くありません。
程よい距離を決め、テープで固定してトレースします。

トレース水彩画では、どなたでも難なく完璧なデッサンの線画を描くことができます。

背景は、スケッチ偏8.のグラデーションの描き方と同じ方法で描きます。
人物はこの後濃く描くため、人物を無視してグラテーションを作ります。


絵が完成しました。
写真では渚にいろいろな浮遊物がありましたが、絵にプラスとならないため省略しました。
背景を明るくすることにより、母と子を浮かびあがらせ、2人の温かいドラマを意図しました。

目次へ ラインへ