しっかり描く10. 一石三鳥、第一色は黒で描く


彩色の第一色は黒(もしくは黒系の色)で描くことをお薦めします。その理由は

     @ 色彩を一切無視して明暗だけモノクロの絵を描くことは、初心者でも案外簡単に描くことができます。
     A 第一色を塗るだけで、絵全体の出来上がりを明確にイメージすることができます。
     B 第二色以降の彩色が失敗なく、簡単に描くことができます。

特にAの絵全体の出来上がりが早期にイメーシできることが、絵を描く上でとても大切なことです。絵は全体のバランスとハーモニーをたえず意識しながら塗り進む必要があるからです。


クリックすれば絵を描くための原寸写真がでます。
これを素にあなたも絵に挑戦しませんか。


この風景はプロヴァンスの小さな街の風景です。
統一のとれた家並みが美しいですね。

線画が完成しました。
遠近感を出すため、遠景を弱い線にしました。

彩色の第一色は黒。
写真を見ながら、黒もしくは暗い部分を塗ります。

しかし、まだまだ第一色の仕事は終わりません。

日影や暗い部分で家並みに立体感を、遠景の地平線まで淡い灰色で塗ることにしました。

この段階のコツは、黒を水でよく溶いて、ごく淡い灰色にして、ていねいに塗ることです。

第二色以降の彩色は、その上に対象物の素地の色をサッと塗るだけで、驚くほどリアリティ溢れる絵が現れます。

この快感がたまりません!


この絵の主役は教会と家並み。緑の中のオレンジ色の家々を浮かび上がらせるように描きました。
そのため遠景の点在する家は、うるさいので省略することにしました。
情感溢れるヨーロッパの古都の情感を表現できたと思います。

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