しっかり描く2. 遠近感はスケッチ画の命


風景画では近距離から遠距離までをひとつの画面に納めることが多いのですが。絵の魅力を決定付けるのが遠近感を表現することです。

一般的に近距離と遠距離の差は

     ・遠距離ほど色が淡くなる
     ・濁りが多くなり、青みも強くなります
     ・コントラストが弱くなります

遠近感を表現する方法として、遠方から順に描き進めるのがコツのようです。なぜなら微妙な色彩のグラデーションを意識して描き進めることができるからです。
その場合、最も遠い場所は思いっきり淡い色で始めることもポイントのひとつです。



拡大された原寸写真が出ます。これを素にあなたも絵を描きませんか。

千葉県鴨川近郊の田植え間近の棚田です。
一本杉が美しいですね。

線画ができました。

この絵の主役は一本杉。
最初の明暗の表現でしっかり一本杉を描きました。

遠くの山並みから描き進めます。
色はようやく識別できるほどの淡さの色にしました。


絵が完成しました。
絵のフォーカス(焦点)を一本杉の足元の場所とし、一本杉より手前を意図して弱くしました。
遠近感の表現により、絵にドラマが生まれたと思うのは私の独りよがりでしょうか。

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