彩色偏8. 濡れている間に塗る

通常の彩色は、塗った色が充分乾いてから重ね塗りをしますが、前に塗った色が乾かないうちに、別の色を塗る方法をご紹介します。
絵の具は塗ってすぐは色水の状態ですから、二つの色を塗り重ねると、色と色とが勝手に混ざり合い、不思議な魅力を表現することが出来ます。これは透明水彩ならではの表現です。
今回はモチーフの背景として彩色しますが、いろいろな面でこのテクニックを使用できます。


ここをクリックすれば、拡大された原寸写真がでます。

今回は少女と白いフェレットの写真を素に描きますが、白いフェレットを強調するには背景を色濃くする必要があります。

線画と、第一色の黒色での明暗の表現を描きおえました。

乾かない間に複数の色を塗るため、彩色にはスピード感が必要です。
前もって塗り色を複数作っておき、すぐ別の色を濡れるように準備します。

まず明るい緑色を充分な水で溶いて厚めに塗ります。

前の絵の具が乾かないうちに、ドンドン塗り進めます。


絵が完成しました。
この方法では必ず塗りムラがでます。塗りムラは透明水彩の魅力のひとつで、積極的にムラが出来るように塗り進められれば、上級者といえるでしょう。


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