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トレース水彩画Q&A どうしたら描きたい色を、正確につくることが出来るのでしょうか? 



プリンターのインク交換をしたことがあると思いますが、インクは 黄・赤・青の3色(3原色という)と、黒の合計4色からなっており、その4色で完璧に色を再現しているのです。
つまりプリントは、この4色の混合により印刷されており、その中でも黒いインクは文字や写真での補完的役割で、ほとんどの彩色の再現は 黄・赤・青の3原色の混合によって成しえているのです。
だから、茶色もウグイス色も黄土色も灰色も、すべて黄・赤・青3色が混色しており、色の違いはその配分の違いだけなのです。

上達のコツ.1
色作りに苦手意識を持たないことが、最大のコツなのです。

無数の色はたった3原色の混色の配分によりできており、とても単純なので、苦手意識を持たないことです。
それでは水彩絵具は、なぜ4色ではなく、12色や24色などのセットになっているのでしょう?
たとえば24色は、3原色と黒の4色以外の20色は、3原色の2色もしくは3色を混ぜ合わせた混合色といいますか中間色なのです。
その理由は初心者には混色して色を作るのが難しいため、よく使用する分野の中間色を増やしてあるのです。
しかし現実の世の中は無限の色が溢れており、24色ではとても足りないため、レベルアップを目指すには、パレットの上で混色して望みの色を作ることが大前提となるのです。


上達のコツ.2
トレースの素となる写真の目的の色をピンポイントで設定し、同じ色を作ることだけに集中する。


正確な線画と正確な色彩で絵を描き、写真そっくりな絵を描けることは、飛躍するための重要な能力を身に着けたことになります。
絵画読本では、「Xの色を出すにはY色にZ色を混ぜる」などのノウハウが描いてありますが、そんな色の作り方はお勧めできません。
なぜならもっと自由に、もっと簡単に、もっと正確に色を創るようになれるからです。
私のお勧めする上達方法は、ひたすら試し塗りの紙に作った色を塗り、目的の色と比較して、足りない色を補完しながら色作りをしていくことにあります。
色は混ぜれば混ぜるほど濁って行き、濁り過ぎた色は鮮やかな色に戻りません。
その場合はその色作りは中止し、最初から色作りを始める、その繰り返しにあります。

そんな色作りの経験を通して、突然そのコツを覚える・・・それが最も早い上達方法のような気がします。
つまり色の作成能力向上は、知識よりも感性や経験であり、それを通じてコツを掴むしかないのです。

上達のコツ.3
色を作るための影の重要な働き者、それは「水」です。

透明水彩では白い絵具は使いません(白い絵具は最後に微修正するときや、ハイライトを入れるときに使います)。
その代わりとなるものは「水」で、淡い色を作る時、明るい色を作る時、それはおもいきりたっぷりの水で薄めることで作れるのです。
それだけでなく、全体を通して同じ色でも濃い色を薄く延ばして塗るのではなく、水で溶いて厚くたっぷり塗るのが上手な色の作り方で、完成したときの絵の出来栄えを大きく左右するのです。
それほど「水」を上手に使うことで、色作りは上達します。
 
 
 

たとえば、この絵の、水も、2人の服も、芝生もすべて黄・赤・藍の3原色の混色からできており、色の違いはその配分だけにあるのです。

つけ加えるならば。3原色+水にありますが、
この絵では、水が多すぎて困っているところです。