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トレース水彩画Q&A 私は何を描けばいいのでしょう? |
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私は何を描けばいいでしょうか? 絵画教室などでよく聞かれる質問ですが、私はこのように応えています。 「あなたの好きなモノを描いたらどうでしょう」と。 これは当たり障りのない回答のようですが、実は絵の本質なのです。 高名な脳科学者の説によると、人間は感動すると、その感動を人に伝えたいと願望する動物とのことです。 その表現方法として、音で表現したものが音楽であり、言葉で表現したものが俳句や詩であり、視覚で表現したものが絵画なのです。 だから絵は「感動」を表現するメディアなのです。 というわけで「感動を描きましょう!」といわれても戸惑うだけですが、感動を好きなモノに置き換えて「好きなモノを描きましょう!」となれば、誰もが即座に描きたいものを思い浮かぶはずです。 そうなのです!「好きなモノ」の中に感動がインプットされているのです。 ● 私は学校以来はじめて絵を描いたのは50才の時で、溺愛していたゴールデンリトリーバーの愛犬「スキッパー」を描いたのが最初の絵でした。 それは絵を描きたいというより、愛犬への想いを形にしたいという行動が絵になったというのが正しいかもしれません。 それからずっと脇目も振らずスキッパーの絵を描き続けているうちに、体の中から湧き出るように、絵を描く喜びが湧きあがってきました。 そして老犬として体が弱り始めた頃「スキッパー」というタイトルの個展を開くまでになりました。 その時気付いたことは、スキッパー以外の絵を一枚も描いたことがないことと、絵を描くことにすっかり夢中になっている自分を発見したのです。 ● 音楽は「音を楽しむ」と書きますが、絵を描く上でもっとも大切なこと、それは音楽同様「描くを楽しむ」ことだと確信しています。 私は気が進まないときは決して絵を描きません。 ちょっと間を置くと、すぐ描きたくなるのですが、それでも描くのを我慢します。 そして我慢が頂点に達して初めて画用紙に向かうことにしています。 我慢してきた絵への情熱が一気に吐き出されるからです。 そしてそれが感情の込められた絵を描く賢い方法でもあるのです。 絵を描くのがなぜ楽しいのでしょうか? それはいろいろありますが、その中でも何といっても「自分の中の好き!」を発見し、それを悪戦苦闘して絵という形にしていく・・・・それが何とも楽しいのです。 |
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