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写真から新しい世界を創る
 


上級者ともなると写真を活用するものの、自分の世界観を表現することが主眼となります。
その場合は、描く前の設計、つまり「何を描くか?」と「どのように描くか?」をしっかりイメージを構築してから取り組むことが必要です。

そのひとつの方法として合成があり、それにはひとつは1枚目をトレースしてから、その部分をマスキングし、その上から次の1枚をトレースする方法があり、それが最も簡単な方法です。
もうひとつはフォトショップというソフトをパソコンにダウンロードし、その中の合成機能を使う方法があります。

合成に少しでも不自然な点があると、とたんに作品が陳腐化するため、緻密な設計が必要です。
 
  この写真は、初夏の鎌倉の由比ヶ浜と七里ヶ浜海岸の間にある岬・稲村ヶ崎の風景です。

もしこの写真をその通り描くとしたら、ちょっ物足りないといいますか、インパクト不足のような気がします。

実は3点の作品は、描いた時期も、絵のイメージも、訴求ポイントも違っていますが、この1枚の写真を素に描きました。

それぞれがそれぞれの稲村ケ崎風景となりました。
 
 
   
  この稲村ヶ崎は、空を大きくとり
踊っている雲のダイナミズムを
表現しようとしたものです。
だから余計なものがないほうが、
主旨を的確に表現できることになります。
 

 
  この稲村ケ崎は、手前にサーファーを描くことによって、湘南の明るさと楽しさを表現しようとしたものです。

合成したもう1枚の写真は、サーフボードの黄色を赤に替えたのですが、ガラリと雰囲気が変わりました。

 
     
 

 
   このえでは稲村ケ崎は脇役のような存在で、
主役は好奇心いっぱいでいっしょに遊ぼうと誘っている
ワンちゃんです。

楽しい賑わいを表現するため、背景にはたくさんの人を
描きました。
   
   
   

以下の絵は、2枚の写真を合成して作りましたが、合成の世界はまだまだ広がります。
 
  京都の美山は素晴らしい茅ぶき屋根の民家が点在しているのですが、それだけでは物足りない・・・。
と思っているときに、草刈機を持った農家の方が通りかかったので、2枚の写真を合成して描きました。
   
  合成とは、合成したのことをわからなくするのですが、
誰が見ても合成がわかる描き方もあります。
それにより新しい世界が誕生するのですが、
この描き方を追及すれば、
新しい時代感覚の絵を描くことが出来るかもしれません。