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グラデーションを使い情感を表現する


柔らかく情感あふれる絵を描くには、グラデーションの技法が効果的です。
グラデーションを作るには、画板に高低差をつけ、たっぷりの水に溶いた絵具を、上から下に一気にに太い筆で描けば、グラデーションを作ることが出来ます。
画板の角度は10~15度程度が最適です。

   これは筆というより刷毛です


グラデーション制作のポイントは短時間に描きますから、あらかじめ2つの色を用意して、太い筆にたっぷり絵具を乗せ、で躊躇せず思い切り描くことにが大切です。

グラデーションは濃淡だけでなく、色の変化も表現することが出来ます。

 
ヴェネチュアの風景です。

線画とモノクロでの彩色が終わり、
これからグラデーションの制作に
取りかかります
 
0′46″  画用紙を板の上に乗せます。
0′53″   後ろに椹木を入れて傾斜をつけます。10~15度程度の傾斜が良いでしょう。
1′05″ 充分の水で溶いた絵具を、刷毛にたっぷりと含ませ、一気に塗っていきます。
 1′29″  下に行くほど濃い色を塗りますが、上の色と下の色がなじんでいき、自然のグラデーションが完成します。
   
   
 
 
  淡いブルーのグラデーションとなりましたが、上と下では濃さがずいぶん違います。
絵全体を霧で包まれたような柔らかい雰囲気とするため、船も背景の建造物も青く塗りましたが、右上の水面はマスキングを使って白さを残しました。。 
 
 
 1′36″  寺院は赤レンガ等を淡い色で塗り、この上からシルエットのように青を塗り重ねます。
1′56″   水面にも色を入れます。
 2′17″  水の調合を濃くしたホワイトを厚く塗り、水面のハイライトを描いて、絵の完成となります。
   
 
 
   全体が柔らかな光に包まれたヴェネチアの絵が描けました。
水面のキラキラ光る感じがうまく表現できました。
 
 

   葉山公園からみた富士山ですが、日没直後の黄昏どきを表現するには、グラデーションの技法は必須です。

夕暮れ時は、上の青い空徐々に赤味を帯びていく様を表現しました。
 
 
     我が故郷の山「白山」を描きました。

輝く山の峰を表現するため、空も強いグラデーションとし、周りを極力暗くしました。
手前の川は手取川です。
 
 
  この富士山の絵は、まさにグラデーションがあってこその富士山になりました。 

冬の富士山の輝く様を表現しました。