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塗る順番を守れば、意外と彩色も簡単なのです。



 
水彩画の彩色では。失敗しても消すことはできません。
そのため出来だけ早い段階から絵の完成をイメージ出来るようにして、それを基に描き進めるとずっと失敗なく簡単に彩色することが出来ます。
そのためには、第一色はモノクロで描くことこそそれらの問題を解決できます。

色を構成するのは、明るさ暗さを示す「明度」、色の種類を示す「色相」、色の濁り具合を示す「彩度」の3つの要素からなっており、彩色とは3つの要素を同時に一筆で塗ることで大変なのですが、モノクロで先に塗れば、次の行程からは「色相」と「彩度」だけに集中出来ることになり、彩色はずっと簡単になります。

そのため順番として  ステップ1  モノクロで描く
              ステップ2  明るい色を大胆に塗り重ねる
              ステップ3  暗い色・濃い色をていねいに塗り重ねる
              ステップ4  影の色を塗り重ねて、絵の完成

ステップ2では細部にこだわらず極力大胆に塗るのがポイントで、ステップ3・4と徐々に暗い色濃い色を、それもより細かく繊細に塗り重ねていくで、大きく全体として色彩をとらえると同時に、繊細に表現できることとなります。




0′57  モノクロは水彩画の黒ではなく、 「漫画家の使用する墨汁」を使用することをお薦めします。
1′16″  上に色を塗りかねても、決して色がにじまないからです。 
0′34″  草原に青々と茂る 大木を描くことにします
0′43″  線画が完成しました 
1′36″  写真をよく見て、暗い分部を拾いながら丁寧に塗っていきます。 
1′47″  より濃い分部を探し、何度も重ね塗りをしていきます。 
   
  露出オーバーなモノクロ写真のようになれば、
第1ステップは終了です 
 
 2′13″  第2ステップの色は、写真の中の明るい分部の色を作ります。
 2′33″  はみ出し塗りや塗り残しをしない中で、大胆に塗っていきます。
ここで詳細な分部を意識して塗ると、弱々しい魅力のない絵になってしまいます。
 3′15″  乾いてから、より濃い色、より暗い色をより繊細に塗ります。
 3′30″  影の色は黒ではありません。
影の部分にていねいに塗っていきます。
   
 
   
  モノクロでていねいに塗ったため、細かい木々の陰影が
表現できたと思います。 
 
 
明るさ暗さの明度差が魅力的な絵をご紹介します。
 
   
  強い光の中で、手前は木漏れ日が美しく、寺の中は強い日差し、そして門の中は暗い・・・。
そんな3つの明度差の絵を描きました。 
   
   
  イタリア・トスカーナ のシエナの街で、町の古い雰囲気に溶け込んだような老夫婦と出会い、その古壁の美しさに見とれました。